マンションには居室の他にウォークインクローゼット、そしてDENなどがあります。DENとは居室としては認可されない小さなスペースですが、それがDENという名前の由来ともなる隠れ家的な魅力を持つものとなります。
近年では書斎を希望する人も多いものですが、家族の中で真っ先に犠牲にされるのは書斎です。けれどもDENがあれば、その夢を叶えることもできます。デザイナーズマンションなどでは、あえてその空間を用意することで趣味に没頭できるようにしています。納戸やサービスルームとは異なり、その狭さゆえに書斎として優先して使えることになるわけです。
書斎の必要性について
「本棚のない家は知恵のない家と同じ、書斎のない家は主人のない家と同じ」
このような格言があります。夫は家長として1人で考える時も必要と言われます。そして書斎は単に本を収納する空間ではなく、自分が自分らしいことをするための場所となります。オープンスペースでの書斎も人気はありますが、自分と向き合いこもることができる場所として確保されていることが必要というわけです。
DENを活用する
とは言え、DENは様々な利用のされ方をしています。小さな子供がいる時にはキッズスペースとして使われることもあります。家族が寝静まった後にパソコンとチェアを持ち込んでの作業スペースにするなどのフレキシブルな使用方法もあります。程よい狭さがサーキュレーターや電気ストーブを使うことで、効率良く空調を整えることになります。
書斎の作り方
DENを利用して、専用の書斎とする場合にはデスクのレイアウトも大事です。そのためには、書斎をどのように使うのかがポイントになります。
例えば毎日短時間だけ使用するような場合には、デスクを壁面に向けるレイアウトが一般的となります。その周辺に本棚を備えることで、より隠れ家的な雰囲気を楽しむことができます。ただし、このスタイルは長時間作業には不向きとなります。もし週末などのまとまった時間に利用するのであれば、壁を背にする形でデスクを置くことがお勧めです。
というのも、人は後ろに空間ができると集中力を欠くと言われるからです。背後を壁にすることで、創造性を必要とする作業に向くレイアウトとなるわけです。ちなみに椅子は沈み込まない硬めのものが必要です。腰を立てて座る姿勢を維持できることが大事です。けれどももし、その隠れ家としての雰囲気を楽しんでリラックスしたいのであれば、好みのソファを持ち込むのも良いものです。デザイナーズマンションであれば、DENも使い勝手を考慮して確保されているものもあります。
家族にとっての書斎の存在
家族には時に、いざこざもつきものです。夫婦喧嘩も起きるものですが、その前に2人一旦それぞれの居場所を作ることも必要です。特に子供がいる時には、言い争う姿は見せなくないものです。もしそのような雰囲気を感じ取る時には、書斎にこもることも必要です。頭を冷やすことで、謝るきっかけもつかめるものです。オープンなスペースで家族がいつも一緒にいることも大切ですが、時にはそれぞれが居場所を持つことも大切ということです。
建築家の杉浦伝宗氏はこう言い表しています。
「家はそもそも、女性のために存在する」
それゆえに家には、男が独りになれる書斎が必要であるというわけです。女性であれば家を丸ごとテリトリーにすることができると言っています。それに対して、男性は世帯主としての冠をかぶせられながらも、決まった居場所を持っていないからです。そしてDENがあれば、そのような居場所を”正式に”所有することができるわけです。使用目的は人それぞれですし、作業効率が上がったり寛ぎの空間を楽しむことができます。けれどもそれ以前に、家族としての在り方を考えると是非確保したいスペースであることがわかります。
DENのある賃貸マンション
■プレサンスロジェ志賀本通駅前
■ORANGERIE GOKISO