賃貸住宅にもリノベーション物件が増えています。リフォームと異なる点は、単なる修復ではなく、新たな付加価値をつけて室内を作り直すことにあります。
何故リノベーション物件が増えているの？
リノベーション物件が増えている背景には、時代の流れによる生活スタイルの変化に伴って、住まいに求める価値観が多様化していることがあります。賃貸マンションは利回りを高めるために、設計費用を抑える傾向があります。そのために無難な間取りが多くなります。
それに対してリノベーションによる設計で、個性的な間取りや設備を取り入れることができます。借り手が好みそうな室内に変えることで、古くなった物件にも新しい借り手がつくようになるわけです。
国の政策も関係している？
今、空き部屋が増えていることにより国が中古住宅の活用を推進しています。それを受けて注目されたのが、東京の座間市にあるホシノタニ団地です。築40年以上のこの建物をフルリノベーションしたことにより、新たな世代が入居しています。カフェの併設や子育て支援施設などが人気となっています。
リノベーションによるメリットは？
このように注目されるリノベーションですが、そのメリットは何でしょうか。まず古い建物は給排水の設備が気になります。配管内部の劣化により赤水が出るところもあります。けれどもリノベーションを施すことで、再び綺麗な水が流れるようになります。また冷暖房設備を変えることで、エネルギー効率を高めることになります。借り手としては光熱費が抑えられるので助かります。
何よりも住みやすさを追求した間取りに作り変えることで、自分好みの部屋を探すことができます。気になる家賃ですが、中古相場から見ると少し高めにはなります。けれども新築と比べると、まだまだ安いところが多く見られます。というのも、オーナーが少しでも早くリノベーション費用を回収するために、借り手をすぐにつけたいという思惑があるからです。
どんなリノベーション物件が人気？
今リノベーションで人気があるのが、レトロな部屋です。古民家の廃材を再利用したり木製品や自然素材を使ったものが増えています。いわゆるナチュラルモダンと呼ばれるデザインの物件です。フローリングには古い床材をイメージしたノコメ加工されたものを使っていたりもします。
また、壁の一面を見せ壁として色を変えたり壁紙を変えるなど、お洒落に演出するものも増えています。さらにそこに間接照明を当てるように照明器具を設置したものも人気があります。
小さめなコンロでも、お洒落なデザインのものに変えるだけで、かなり雰囲気が良くなります。可愛らしい壁紙やカフェをイメージさせるキッチンなど、生活が楽しくなるように演出したものも女性の人気を集めています。
リノベーション物件の選び方は？
リノベーション物件は基本的に、築年数の古いものが多いものです。ここで注意したいのが、いくら室内を綺麗にしても、建物自体が変わらなければ耐震性などは変わらないことです。そこで、築年数が30年以上経つ物件は耐震性を確認しておく必要があります。
また、たとえひと部屋だけリノベーションをしても、隣の部屋が古いままだと生活音などが気になることがあります。床を歩く時のきしむ音や、ドアを開け閉めする音は気になるものです。物件を内見する時は必ず、その周辺などもチェックすることが大切です。
リノベーションを手掛ける業者は、住宅とは関係の無い異業種から次々に参入しています。例えばSNSで有名なグリーも、リノベーションサービスを開始しています。あるいはアマゾンも定額制のリノベーションプランを提供するようになっています。人気の高い間取りなどをパッケージ化して、簡単に施工できるようにしているものです。これからさらに多くの魅力ある物件が増えてくることが予測されます。新築人気は変わらないものですが、そこでは得られないような、特別な住みやすさを感じられる物件を探す楽しみも増えそうです。
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