東日本大震災以降、電気料金は値上がりしていることでオール電化には逆風とみられてきました。この4月から電力の自由化が始まりましたが、深夜割引をするサービスは今のところありません。このような状況の中でオール電化はお得なのでしょうか?それを考えるために、改めてそのメリットとデメリットを知っておくのも良いでしょう。
オール電化の設備について
オール電化で導入する設備は、主にキッチンのIHヒーターと電気給湯器です。マンション用のエコキュートも普及が始まっています。また床暖房は電気で温水を温めて循環させるタイプが主流となっています。
キッチンのメリットとデメリット
IHクッキングヒーターのメリットは、火を使わないことで火事の心配が無いことです。ガスキッチンからの出火による火事の割合は多いものです。特に歳を取るにつれて視力が弱まることで、ガスの青白い炎が見えなくなると言われます。さらにフラットなIHクッキングヒーターは掃除も簡単で綺麗に維持できます。また燃焼による水蒸気も発生しないので、結露も発生しにくくなりますし、夏場のキッチンの暑さもなくなります。
デメリットとしては、まず使用できる調理器具が限られることがあります。ガスコンロならば激安のフライパンなども使えますが、IH対応となるとそういうわけにはいきません。また火力を必要とする料理は難しくなります。さらに、多少ではありますが同じ料理を作るにも電気は時間も料金も増えます。
給湯器のメリットとデメリット
深夜の割安電力を使えるならば、電気温水器は安くお湯を沸かすことができます。また給湯器の不完全燃焼といった危険性も無くなります。メリットとしてはこのくらいで、デメリットは幾つかあります。
まずタイマーのセットを間違えてしまうと、日中の高い電力でお湯を沸かしてしまうので割高となることです。あるいはタンクのお湯を使い切ってしまうと、やはり日中の割高な電力を使うことになります。また冬場はなかなかお湯が温まらないので、電気代がかかるようになります。さらにタンク内を清掃することができないので、長く使うとお湯が臭うようになります。そのために、飲料に利用するためには、お湯を一度沸騰させることが必要となります。もちろん、タンク内の水を全て抜き取ることである程度はタンク内を綺麗にすることは可能となります。
その他のメリットとデメリット
災害時には電気が使えなくなるとの意見もありますが、それはガスも同じです。割高となるプロパンを使っていれば別ですが、大抵の地域ではガスの復旧はかなり遅くなります。例えば東日本大震災での電気の復旧は4日でしたが、ガスは34日かかっています。阪神淡路大震災は電気の復旧が1日に対してガスは実に61日後に復旧しています。
このようなことを踏まえて、これからのオール電化を検討することが必要です。
結局オール電化はお得なの?
オール電化を経済面で見るとデメリットが目立つようになります。けれども、オール電化でなければ手に入らない室内環境や安全性というメリットがあります。その安心感を買うためのコストと見ることができるか否かがポイントになるようです。