今やマンションだけではなくアパートにも設置されている浴室暖房乾燥機は、便利な設備として人気があります。冬場のヒートショックを避けるために、寒い浴室を暖めておいたり、逆に暑い夏場は冷風で入浴後の汗を抑えることもできます。そして何と言っても便利なのが、乾燥機としての機能です。天気の悪い日の洗濯も気にすることなくできるようになりますし、部屋干しの際の生乾きの臭いも防ぐことができます。
【浴室暖房乾燥機には2つのタイプがある】
浴室暖房乾燥機には、電気式とガス温水式の2種類があります。電気式のものにはセラミックヒーターやハロゲンヒーターを設置したものや、電気ヒーターではなくヒートポンプ式のものもあります。一方のガス温水式は外部の給湯器などで温めたお湯を循環させる形となります。また、設置場所も天井にビルトインしたタイプのものや、壁掛け式のエアコンのようなものがあります。
【運転コストはガス式が安い】
一般的に言われることですが、浴室暖房乾燥機による洗濯物の乾燥の運転コストは、電気式の方が高くなります。時間あたりの電気代はガスによるものより安いのですが、乾ききるまでの時間はガス式の方が早いのが理由となります。ただし、設置費用に関してはガス式の方が電気式よりも高くなります。持ち家に設置する場合であれば、ランニングコストを考えて選ぶ必要があります。けれども賃貸物件であれば、ガス式の方が光熱費は安く済ませることになります。東京ガスの公式資料によれば、マンションのユニットバスで2kgの衣類を乾燥させるのにガス温水式では64分で59円、電気式では148分で98円となっています。
【浴室暖房乾燥機の利点とは】
洗濯乾燥機のように狭い空間に衣類を入れて回転させることに比べると、浴室暖房乾燥機は衣類へのダメージが少ないのが大きな利点となります。吊り下げておくだけで乾燥させるのでシワもなくなり、布が擦れることもないのでダメージを受けることが無いわけです。
【効果的な使い方と注意点とは】
浴室暖房乾燥機は、湿気を蒸発させるためにエネルギーを使うことになります。つまり、入浴後の浴室が濡れたままになっていると、その水分を蒸発させるために余計なエネルギーを使うことになります。そこで少しでも早く洗濯物を乾燥させるために、浴室の床や壁の水滴はきれいに拭き取っておくことが大切です。また湯船に残ったお湯をも蒸発させようとするので、必ず湯船にお湯や水が残っていたらフタをすることが必要です。また、脱水したばかりの洗濯物をそのまま浴室にかけるよりも、室内干しで少し風を当てておくことで水分を取ることが有効です。扇風機やエアコンの風を当てれば、その後の浴室乾燥機での時間を短縮させることができます。また、衣類の表裏にも注意すると乾燥時間を短縮させることができます。表面がデコボコしている方を表にしておけば、短い時間で乾かすことができるようになります。また、フィルターをこまめに掃除しておくことも、もちろん大切なことです。
【その他のワンポイント】
電気式の場合、深夜電力を利用することで電気代を浮かすことができます。深夜料金プランがいろいろあるので、ライフスタイルに合わせて検討すると光熱費をかなり抑えることができます。ガス式の場合には、循環させる水が凍結しないようにすることが必要となります。地域によっては使用上の注意をよく読んでおくことが必要です。また、ヒートポンプ式の浴室暖房乾燥機は、通常のヒーター式よりもかなり電気代は安くなります。賃貸物件を探す時には、浴室暖房乾燥機がどのタイプなのかを必ずチェックすることが必要です。電気式だからといってすぐに候補から外す前に、どのタイプのものかを聞くなりして把握しておくことが大事です。ガス式の場合には、給湯器が設置されてからどのくらい年数が経っているかもチェックが必要です。燃費はそれほど変わらなくても、突然故障するような事態は避けたいからです。