ガス器具を使用するにあたり、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。ほとんどは都市ガスが引かれていますが、その設置が困難な地域などではプロパンガスが使用されます。それぞれに特徴がありますが、住宅を建設するにあたってはまず、都市ガスを検討することになります。それが難しい場合にはプロパンガスを使用することになります。
【賃貸ではどちらがお得?】
賃貸物件を探す場合には、どちらを選べば良いのでしょうか。まず気になるのは料金です。結論から言えば、都市ガスの方が使用量に対する料金は安くなります。ただし、同じ使用量に対する燃焼効率はプロパンガスの方が高いのですが、その単価を比較すると料金は都市ガスと比べるとかなり高いものとなります。また、都市ガスは公共料金となるために全国どこでも同じ料金となりますが、プロパンガスは業者によって異なるものとなります。
【引っ越しの際に気をつけること】
引っ越し先のガスがどちらのタイプになるかをきちんとチェックしておくことは大切です。重要事項説明書には記載されていますが、中にはそれに触れずに都市ガスと説明する業者が無いわけでもありません。もちろん重要事項説明書の読み合わせは通常必ず行うものなので、それが無いのは注意が必要です。けれどももし都市ガスとの説明がありながら実はプロパンガスであったとしたならば、泣き寝入りとなるケースが多いものです。契約そのものを白紙にしても、引っ越し費用などは帰ってはこないからです。
【使用する器具について】
プロパンガスは日本全国どこでも同じものが提供されます。そのために使用するガス器具も同じものを使用することができるので、同じプロパンガスを使用する物件に引っ越すのであれば、同じ器具をそのまま使うことができます。一方で都市ガスの場合には、製法や発熱量などが異なる7種類が存在します。それぞれに合った器具でないと使用できないものです。そのために、遠くへ引っ越しをする場合であれば、その地域で使用される都市ガスの種類を事前に調べておくことが必要となります。
【それぞれのメリットについて】
都市ガスとプロパンガスとでは、料金以外にも違いがあります。供給に関してはプロパンガスはボンベという形で行われるので、もし残存量が無くなったらと不安に思う人もいます。けれどもきちんとその残りの量は遠隔管理されているので、無くなる前にちゃんとボンベ交換してもらえるので心配はいりません。それよりも気になるのは、地震などの災害時の復旧です。都市ガスはガス管を通して供給されるものなので、場合によっては復旧に時間がかかる場合があります。一方でプロパンガスの場合はボンベにガスがある限りはすぐに使用できます。東北の震災時にはプロパンガスの存在感が高まったのが記憶に新しいところです。ただしこのプロパンガスは空気より比重が重いので、万が一ガス漏れしていたら床に溜まって危険な場合があります。都市ガスは軽いので換気扇で室外に排出することができます。もちろんガス漏れ警報器もそれに応じて設置する位置が変わることになります。ただし大きな地震が起きた際に自動的にガスの供給が止まる安全弁は両方に設置されているので、どちらでも安心できるものとなります。
このように、都市ガスとプロパンガスには様々な違いがあります。料金に注目するのであれば都市ガスに人気が集まることになります。けれども自然災害が起こった時のことを考慮すると、プロパンガスにも人気が集まることになります。頻繁に湯船にお湯を沸かして入浴するのであれば、プロパンガスはかなり料金がかさむことになります。けれどもそれほどガスを使わないのであれば、いざという時を考えてプロパンガスを選ぶということもできます。