賃貸マンションを探す時の部屋の広さは、どのように決めていますか?
「とにかく広い家に住みたい」
それは誰もが思うことですね。人生に余裕は必要です。けれども、いかんせん家賃がそれなりに必要になります。生活費を抑えてまで不必要に広い部屋は必要ない、けれども我慢して狭く住みにくい部屋に住むのも考えものです。それがたとえ生活費を確保するためでも、あるいは将来家を購入するためでもです。今の生活を楽しむ余裕が無ければ、良い仕事もできないのではないでしょうか。そこで、生活スタイルに合わせてどのくらいの広さが必要になるのかを考えてみたいと思います。
ところで一口に広さと言っても、その意味合いは色々とあります。最も分かりやすいのが専有面積です。要するに使えるスペースは全部合わせてどのくらいあるのか、ということです。正式な計算方法としては、壁の中心で囲まれた部分で算出します。壁心計算と呼ばれますが、実際に壁の内側を測った面積より狭くなります。この面積を1.65で割ることで、何畳あるかがわかります。家賃はだいたい、この専有面積に応じて決まります。ただ、同じ面積でも部屋をどのように分けるかによって、間取りが変わります。そして使い勝手の良い間取りや人気のある間取りの場合、同じ専有面積であっても家賃は若干高くなる傾向が見られます。
それでは、住む人数や生活スタイルごとに見ていきます。
ひとり暮らし
ひとりで暮らす人は、多くがワンルームもしくは1Kタイプのマンションに住むことと思います。払える家賃にも限りがあるので、必然的に広さは決まってきます。
【20~25㎡】
一般的なワンルームの広さです。ひと部屋にキッチンや収納などが全てまとまっているタイプの間取りです。とにかく少しでも生活スペースを確保したいので、廊下やキッチンスペースなどを極力減らした間取りがお勧めです。キッチンは部屋の中にあれば、有効スペースは確保できます。
【25~30㎡】
キッチンスペースが別にある、1Kタイプの広さです。料理はきちんとしたい人に向いています。臭いが部屋に回らないのが利点です。キッチンは1畳か2畳程度のスペースです。この広さならばバスとトイレも別々になるものが増えてきます。
【30~35㎡】
キッチンスペースが少し広くなり、ダイニングとしてひと部屋にカウントされる1DKタイプの広さです。ちょっとしたテーブルを置いて食事ができるので、寝るスペースと区別することができます。食事をする部屋とくつろぐ部屋を分けたい人に向いています。ダイニングキッチンの広さは、他にひと部屋あれば4.5畳、ふた部屋以上ならば6畳以上と定められています。
【35~40㎡】
ひとりで住むには少し贅沢な広さです。1LDKタイプの広さですが、人気の高い間取りです。キッチンも広めに確保されることが多いので、しっかりと料理をしたい人も満足できる部屋を選べます。リビングダイニングキッチンと寝室に使えるひと部屋が加わる形です。寝るスペースとくつろぎのスペースとをきちんと分けたいひとにお勧めです。リビングダイニングキッチンの広さとしては、他にひと部屋ならば8畳、ふた部屋以上なら10畳以上となります。ゆったりと寝室で休みたいならば、6畳くらいは確保したいところです。リビングを広く取るタイプならば、寝室は4.5畳くらいのタイプもあります。ひとりでベッドを置いて寝る分には十分の広さです。
2人暮らし
カップルからDINKSまで、生活スタイルによって住みやすい広さは変わります。専有面積としては40~50㎡くらいが妥当なところです。あとはどのような間取りにするかによって、住みやすさは変わります。
【40~45㎡】
ふたりで過ごす時間を大事にする生活スタイルなら、1LDKがお勧めです。リビングダイニングキッチンに寝室がひと部屋という間取りになります。特に新婚で家賃は極力抑えたい場合にも、このくらいの広さが妥当なところです。広めのリビングでゆったりと過ごせるのが特徴になります。あるいは同じ専有面積でも2DKタイプもあります。6畳のダイニングキッチンに個室がふたつとなる間取りです。ダイニングキッチンは狭くなりますが、ふたりそれぞれのプライベートも確保したい場合にはお勧めです。共働きで帰宅時間が違うような時には、お互いの時間を邪魔することがなくなります。ふたりでキッチンに立つことがあるのなら、キッチンスペースは独立しているものより、リビングに面しているものが便利です。カウンターキッチンはお洒落ですが、リビングが狭くなるので注意が必要です。
【45~55㎡】
この広さで1LDKとなると、リビングはかなりの広さを確保できます。カウンターキッチンを備えていても、ふたりでゆったり過ごせる広さはあります。夫婦で子供も予定しているならば、あとひと部屋余分に欲しいところです。2LDKならば、リビングにふた部屋となるので、寝室の他に子供部屋も確保できます。あるいはふたりだけで住むなら、贅沢な使い方ができます。例えばひと部屋を収納としても使うことができます。さらにもうひと部屋欲しい、となれば3DKという間取りもこの広さで選べます。DINKSの方で家でも仕事をするのであれば、仕事部屋としてひと部屋確保しておきたいところです。ひとりがテレビを見ていても、気にせずに仕事に取り組むことができます。
ファミリー
最も部屋の広さや間取りに悩む世帯になります。というのも、子供が何人いるのか、あるいは増える予定なのかなど不確定要素が多いからです。ある程度長く住むならば、どんな間取りが良いのか迷うところです。
【50~65㎡】
子供ひとりならば、この位の広さになります。間取りとしては2LDKから3DKのタイプです。人数が増える分、荷物なども増えるのでそれなりに広さが必要です。65㎡で2LDKとなると、リビングの広さもかなり確保できます。ただし夫婦の寝室は少し広めが必要かもしれません。荷物も増えますし、プライベートスペースも少しは欲しいからです。書斎として使えるスペースも確保したいところです。3DKは部屋数は確保できますが、ダイニングで3人となると結構な狭さになるので注意が必要です。
【65~85㎡】
子供ふたりになると、さらに選択肢の幅が広がります。というのも、子供が同性同士なのか異性同士なのかによって、必要な部屋数も変わります。異性同士ならば、大きくなるとそれぞれ個室が必要になります。そうなると3DKか3LDKが必要になります。ただし、4人で3DKはかなり狭いかもしれません。収納もそれほど確保されていないものが多いので、できれば3LDKか4LDKは欲しいところです。夫婦が寝室ひと部屋で良くても、書斎が欲しいと思う場合もあります。狭くてもひと部屋確保するか、あるいはDENがあれば便利です。もちろん、子供が同性であっても、ある程度大きくなれば個室を欲しがるものです。あとはどのような間取りを選ぶかです。個室は狭くても、家族で過ごす時間を大事にしたいのであれば、リビングは12畳は欲しいところです。キッチンもふたり立って作業できるスペースは欲しいものです。
まとめ
マンションは住む人数によって、必要な部屋数や広さは変わります。家族であれば、子供が増えるか否かによって多くの選択肢が生まれます。けれども、ライフスタイルが変わるごとにすぐ引っ越しできるわけではありません。そのために、ある程度は余裕を持った広さを確保しておくことも大切です。そのために、少し先の未来を予測した上で、どの程度の広さを確保すれば良いのかを考える必要があります。あるいは、将来自宅を購入することを考えて家賃は抑えておきたいと考えることもあります。そのような時も、少しでも快適に暮らせるだけの広さは確保したいものです。