賃貸マンションに住んでいると気になるのが、退去する時の「原状回復」の問題ですよね。壁や天井を汚したり傷つけたりしたら修繕費用を請求されたり、原状回復を求められたりします。消費者センターへの苦情にもこれをめぐってのトラブルが多いようです。中にはこうしたトラブルが嫌で、無理を承知でマンションを買ったり、家を建てたりする人もいるようです。
クールでおしゃれ コンクリート打ちっ放し
でも無理をするよりやっぱり賃貸で、できればおしゃれで高級感があるマンションがいいなという人は、賃貸のデザイナーズマンションに目が行くようです。そのデザイナーズマンションの代名詞ともいえるのが、室内の壁がコンクリート打ちっ放しの物件です。クールな雰囲気が売りで、壁だけでなく天井も、といった具合に徹底したものもあり、こだわりの住まいとして人気を集めています。
見た目のかっこ良さだけではありません。防音効果が高く、壁にクロスなどを張っていないので火災の心配が少ないというメリットがあります。音が漏れることが少ないので近隣との騒音トラブルは避けられ、火災が起きても壁から燃え広がることは考えられず、被害を最小限に食い止められるはずです。クロスがないことは、退去の際にクロスを張り替えたりする必要がないというメリットにもつながります。
デメリットは、コンクリート表面がむき出しになっているため冬場は触ると冷たいことや結露しやすいこと。また、画鋲が通らないので壁にカレンダーや時計を掛けるのが難しいといったことがあります。
弱点生かし 自由にインテリア
でも、打ちっ放しのこの弱点を逆に生かして、壁を傷つけずに時計などを掛けることができるのです。打ちっ放しの壁には「ピーコン」という穴があります。コンクリートの壁の型枠を組む時にモルタルの圧力で破壊されないように型枠ををつなぐためにプラスチックコーンという部品を使います。コンクリートが固まってからそれを取りのぞいた跡に残る穴を利用するのです。その穴にフックやナットなどを差し込んで、絵や時計を掛けたり、棚を作ったりして自由に室内をカスタマイズできるのです。