タワーマンションや数百戸規模のマンションにコンシェルジュが常駐するケースが増えてきました。ホテルのサービスマンのように住人のために動いてくれる存在となります。そして提供されるサービスは実に様々なものがあります。宅配物の手配やクリーニングの手配、タクシーを呼んでくれたり共有設備を使用する上での管理を行ったりという内容となります。
【コンシェルジュサービスに何を求めるのか】
単なる御用聞きと考えると、不要と思う住人もいるものです。どれも自分でできると考えると、その必要性に疑問を感じるというわけです。その維持費は管理費から支払われることになるので、中にはサービス内容を縮小したり、コンシェルジュそのものを廃止する場合も見られます。けれどもコンシェルジュサービスは決して、御用聞きで終わるわけではないものです。そこには、かつての向こう三軒両隣の精神が込められるようになってきています。
【古き良き便利さを現代に】
かつては日本には、近所付き合いというものが普通に行われていたものです。近所の住人が何かと助け合って生活していたわけです。親が忙しい時は子供の面倒をみたり、あるいはお年寄りの手助けをしたりといったコミュニティが形成されていたものです。現代ではそのような風習がすっかりと姿を消しています。特に何かと便利な都会でのマンション生活では、ご近所付き合いはほとんど見られなくなってきています。お年寄りが家の電球ひとつを交換するのにも難儀する時代です。そのような時に手助けしてくれるのが、コンシェルジュサービスです。誰もがネットを駆使して便利に生活できるわけではありません。ちょっとした調べ物をしてもらうだけでも助かると思う人も多いものです。
【都心にこそリタイア生活を求められる】
リタイアした後の生活の場を都心に求める高齢者が増えています。病院も多くありますし、買い物も便利です。そしてマンション生活の中で何かと力になってくれるコンシェルジュサービスは、非常に有難いものとなります。当初は高級なタワーマンションなどの代名詞とも言える存在でしたが、今では大規模マンションには普通に常駐するようになっています。そして総戸数が多いほどに、その維持費となる負担も分散されて軽くなるわけです。
【コンシェルジュサービスができること】
震災が起きた時、マンションのコンシェルジュが管理組合と力を合わせて、住人の安否確認をしたりと奔走したケースもあります。コンシェルジュはいわば安心感を与えてくれる存在でもあります。子供を家に残して外出する際にも、コンシェルジュに一声かけておくことで安心できます。コンシェルジュは単に与えられた業務をこなすだけではなく、いかに快適に暮らしてもらうかを考えて行動することができます。隣近所との付き合いが希薄となっている現代において、コンシェルジュは安心を得ることができる存在とも言えます。その維持費はいわば、安心感を得るための費用とも言えるわけです。
【コンシェルジュはより身近な存在に】
コンシェルジュは元々、ホテルのようなサービスを受けることができる、一種のステイタスとしての存在感でもあったものです。タクシーを手配してもらったりマンション内の設備の予約を入れてもらったりといった、いわば付加価値としての意味合いが大きかったものです。けれどもそれは次第に、日常の生活を支えてくれる存在となりつつあります。高齢者となると、不在時の配達物を受け取るのも難儀するケースがあります。そのような場合に細かな対応を提案するコンシェルジュを派遣する業者も増えてきています。いわゆる他社との差別化をサービス内容と効率化に求めるようになってきているわけです。いかにしてサービスの質を落とさずに維持費を削減するかの提案をしたり、居住者に喜んでもらうかを追求するようになっているわけです。付加価値とステータスという存在から、いかに居住者に必要とされる存在となるかに変わってきているのです。