マンションの共用廊下には様々な形のものがあります。昔の団地のような建物は、螺旋状の階段の踊り場を挟んでふたつの部屋が向かい合うという形でした。やがて細長い建物が横一列に並び、その廊下は外気に解放されるものとなります。いわゆる外廊下です。そして近年建設が増えている高層マンションに採用されているのが、建物の真ん中で住戸に囲まれるように一回りしているのが中廊下です。
デザイナーズマンションの場合には、高層タイプではなくても、そのラグジュアリー感を出すために中廊下を採用しているものがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、どのようなものがあるのかを挙げていきます。
外廊下タイプ
【外廊下タイプのメリット】
通常のマンションに最も多く採用されているのが、この外廊下です。基本的に住戸は全て同じ方向を向いています。そのために、全室南向きとすることができるのが外廊下のメリットです。
また、廊下側の窓とベランダの窓を開けることで風が部屋の中を通るようになります。また、後述しますが中廊下のように照明をつけたままにするようなことも無いので、共有費用が安く抑えられることになります。
【外廊下タイプのデメリットとは】
外廊下は外気に解放されるために、風を伴う雨が降れば雨水が廊下に入り込むことになります。その汚れもさることながら、コスト削減を伴った防水性を必要とするために廊下の床はコンクリートがほとんどとなります。そのために、足音が響くという難点を生み出します。特に阪神淡路大震災の後、玄関のドアは揺れによる歪みで開かなくなることを避けるために、少し隙間を開けるようになっています。この隙間から廊下の音がかなり漏れてくるわけです。
中廊下タイプ
【中廊下タイプのメリット】
中廊下で大きく宣伝されるのが、ホテルライクな高級感です。外廊下とは異なり、雨水が入り込まないことから自由に素材を選ぶことができます。内装に凝ったり絨毯を敷くことで足音を消すことも可能となっています。
空調の効いた廊下は季節に関係無く快適なものとなります。また照明も高級感を演出することになり、住む人に満足感を与えてくれるものとなります。デザイナーズマンションが追求するラグジュアリー感を演出するには、まさに最適な設備となります。さらに防犯の面でも、外部から守られている点において高められるとされています。
【中廊下タイプのデメリットとは】
実は中廊下のメリットは、デメリットも併せ持つものとなっています。外部さら遮断される閉鎖性は、防犯面においてはデメリットともされています。居住者と共にオートロックをすり抜けた不審者は、人の目を気にせずに室内侵入を試みることが可能となります。
そして昼間でも照明を必要とすることから光熱費がかかります。夏場は空調を効かせていないとかなり蒸し暑くなります。その料金は毎月の管理費に上乗せされることになります。また、外気から閉ざされた空間となるためにベランダの窓を開けておいても廊下側へ風が抜けていかないことになります。またそれぞれの住戸からの臭いも抜け場所が無いことから、中廊下にこもるようになります。ペットの飼育が可能なマンションの場合は、その臭いも問題となっています。
そして、タワーマンションは東西南北それぞれに部屋が配置されることになります。室内の空調がどれほど完備されていても北向きはやはり寒いものです。
中廊下の臭いの問題は、空調を上手く利用することで解決しているマンションもあります。さらに中心に廊下が外気に解放される吹き抜けを作ったタワーマンションもあります。
まとめ
外廊下も中廊下も、それぞれにメリット、デメリットがあります。それらを総合した上で、何を重視するかということになります。大切なことは、住んでから後悔することの無いように事前にしっかりと検討できるだけの情報を把握しておくことです。デメリットを知った上で、それ以上のメリットを感じるものを選ぶというスタンスが大切です。
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