はじめて一人暮らしのための賃貸探しをするのであれば、注意したいことが多くあります。引っ越しをしてから後悔しないように、部屋探しのポイント4つと入居までの流れのポイント2つをご紹介します。
良い賃貸物件の探し方
賃貸物件は家賃金額が高くなるほどに満足度の高いものを借りることができます。しかし一人暮らしで支払える家賃金額には限りがありますし、希望条件全てを満たす物件を探すのは難しいものです。そこで、少しでも希望条件を妥協せずに良い賃貸物件を探すためのコツをご紹介します。
エリアを限定して不動産屋に足を運ぶ
賃貸物件はネットで簡単に検索できます。そこで条件が良いと思える物件が見つかっても、実際に不動産屋に足を運んでみるとすでに決まっているというケースは多いものです。ネットで情報が出回った時点で、条件の良い部屋はすぐに決まってしまうことが多いからです。
そこで良い物件を探すためには、まめに不動産屋に足を運ぶ必要があります。条件の良い物件が入れば、すぐに内覧することができます。
希望条件は明確に伝えておくこと
不動産屋は多くのお客さんを案内しなければなりません。そのために、漠然と部屋探しをしている人よりも、明確に条件を決めて探している人を優先して物件を紹介してくれます。
まず不動産屋に足を運んだ時に希望条件を書きますが、できる限り明確なイメージを伝えることができるようにしましょう。条件の数は少なくして、あれもこれもと欲張らないようにするのがポイントです。自分として妥協できない条件を3つほどに絞り込んでおくと、該当する物件が入れば連絡してくれるようになります。
エリアの決め方
最初にエリアを限定することが大事ですが、そのためには自分がどのような生活をイメージするのかを考えてみましょう。家賃は都市部に近いほど高く、離れるほどに安くなります。また部屋の広さも変わってくるので、通勤時間の長さや最寄り駅、路線などを決めておくようにします。残業が多いのであれば通勤時間が短い方がよいでしょうし、逆に残業がほとんどなく、代わりに収入もさほど多くないのであれば少し遠くのエリアを探すことになるかもしれません。自分のライフスタイルを想像して、どんなエリアがよいのかを決めることが大事です。
防音性の高い物件を選ぶこと
住んでみて一番気になるのは、音の問題かと思います。これは屋外の音であったり、隣や上階の音であったりします。基本的に防音性の高い物件を選ぶことが大事ですが、そのために知っておきたいことがいくつかあります。
まず物件の構造ですが、マンションの場合はほとんどRC構造となるでしょう。鉄筋鉄骨による構造ですが、同じRC構造でもコンクリートの厚さによって防音性は違います。そしてコンクリートが厚いと建設コストが高くなるので、賃貸専用マンションよりも分譲タイプのマンションの方が防音性は高まります。
また人気のタワーマンションですが、重量を軽くするために壁の厚みを薄くしている物件もあります。戸境の厚さは最低180mmとなりますが、できれば200mm以上ある物件を選びたいものです。
また一般的な柱と壁で耐震性を確保する構造よりも、柱を使わずに壁のみで耐震性を確保した構造の方がコンクリートが厚くなります。ラーメン構造と呼ばれるタイプで数は少ないのですが、耐震性と防音性に優れていることを知っておきましょう。
内覧時に気を付けること
やはり賃貸物件は内覧をしてみないと、その良し悪しはわかりません。かといって、漠然と見ているだけでは、細かな点を見逃してしまいます。特にはじめて一人暮らしをする人は、物件を見に行くこともはじめてではないかと思います。そこで内覧時に気を付けることを細かく見ていきます。
防音性が重要
賃貸物件の不満点として最も多いのが、音に関する問題です。マンションは集合住宅である以上、どうしても隣接する部屋、特に上階の音などが気になります。そこで少しでも防音性の高い物件の探し方をご紹介します。
ポイントは壁に耳を当てることです。これは隣の音を聞くというよりも、壁を伝わる振動音を聞き取るのが目的です。音には声やテレビの音などの他に、モノが落ちたりする時に伝わる打撃音があります。上階の人の足音が気になるのは、打撃音が伝わるからです。
壁に耳を当てて、たとえばエレベーターの動く音などが感じられるようであれば、打撃音には弱いかもしれません。もちろん、なんらかの音が聞こえるようであれば、コンクリート厚そのものが薄い可能性があります。
また屋外の音が気になる場合もあります。これはサッシの性能によって左右されますが、新しい物件であれば問題はないでしょう。できれば二重サッシであると、外の音はあまり気にならないと思います。
湿気に注意
賃貸物件で音の次に気になるのが湿気によるカビです。これは部屋の構造上、風の通り抜けが悪いと湿気がこもり、カビが発生しやすくなるのが原因です。窓と玄関を開けて風が通るような間取りであれば安心です。
しかし玄関がサッシに対して横向きになっていたり、リビング以外の部屋が内廊下に面していたりすると湿気がこもりやすくなります。
そこでチェックしたいのが、まずサッシの周りです。ここが妙に変色していたり、あるいはペンキで塗り直していたりすると要注意です。カビが発生したことにより、そのような状態になっていることが考えられます。
あるいはクローゼットの奥の壁紙だけを交換しているような場合も注意しましょう。クローゼットの中もカビが発生しやすい場所ですし、手直ししてるということはクリーニングだけではカビの処理ができなかった可能性があります。これは、自分が住み始めたら再び湿気がこもることで、カビが発生することにつながります。クローゼットの中の服やバッグなどにもカビが発生してしまうので、よくチェックしておきましょう。
エアコンのカバーを開けてみること
カビの話が続きますが、エアコンの中も注意しましょう。特にエアコンが古そうな場合にはカバーを開けてフィルターを外し、その奥を見てください。中にはしばらく空室のままになっているために、カビが発生していることもあります。
この場合、新品に交換してもらうように依頼しても、対応してくれないケースがあります。内覧時にはクリーニングをしているのが当たり前と思わず、必ずエアコンの中を確認しておきましょう。
キッチンやトイレの水を流すこと
キッチンの流しやトイレの水、あるいは浴室の水も流してみることが大事です。水の流れ具合を確認するとともに、嫌なニオイがないかどうかをチェックしましょう。
特に浴室の排水は排水溝からのニオイが逆流してこないように、ある程度の水があります。しかし長期間その部屋が空室になっている場合、水が蒸発して排水溝のニオイが気になります。
またマンションは定期的に排水溝の掃除をしますが、これをきちんと行っていない場合にはキッチンの流しからニオイが発生します。
3 自分の収入でいくらくらいの家賃のお部屋が契約できる?
賃貸契約をする場合、きちんと家賃を支払うだけの収入があるのかどうかを審査されます。そこで自分の収入ではどの程度の家賃まで契約できるのかを知っておくことが大事です。
入居審査での目安は家賃が月収の3分の1
借りたい部屋が見つかれば、まず申し込みをして入居審査を受けることになります。その際には家賃の支払い能力をチェックされます。その目安となるのは、家賃金額が月収の3分の1に収まっているかどうかということです。
年収の3分の1でも審査に落ちることも
たとえ申し込みをした部屋の家賃が年収の3分の1に収まっていても、審査に通らない場合があります。まず過去に借入の返済を滞納している記録が残っている人は、審査する会社によっては落ちることがあります。また勤続年数が短い、あるいは自営業であるといった場合も、審査に落ちる可能性はあります。特に注意が必要なのは、携帯料金の滞納です。携帯料金そのものは滞納しても問題はありませんが、スマートフォンなどを分割支払いしている場合には消費者金融の個人情報に登録されてしまいます。
周辺環境で確認する事
物件選びは周辺環境でもチェックすべきことが多くあります。一人暮らしに欠かせないことを考えて、実際に現地で確認しましょう。
まず会社からの帰り道が物騒でないかどうか確認が必要です。そのためには日中だけでなく夜にも足を運んで、夜道の明かりなどをチェックします。
途中にコンビニなど夜も営業しているお店があると安心です。買い物にも便利ですし、できれば物件の近くにあると役立ちます。また自炊をする人なら食材を安く購入できるスーパーもあるか確認したいものです。
申し込みから入居までの流れ
気に入った物件があれば申し込みから入居までどのような流れになるのかを把握しておきましょう。まず入居申し込みをしたら入居審査を受けて結果を待ちます。審査には源泉徴収などの収入証明が必要ですし、新社会人となる場合は採用証明書の提出を求められることもあります。
審査が無事通り賃貸契約を結ぶ際には、重要事項説明を受けます。物件の仕様や入居、あるいは退去に関する規定などの説明なのでしっかりと聞いておきましょう。特に退去時のクリーニング費用などにおける条件は重要なので、不明点は納得できるまで聞いておくことが大事です。
契約書に署名捺印して契約締結が完了したら、鍵をもらって引き渡しとなります。あとは都合の良い時に引っ越しをします。
ライフラインの契約
無事に引っ越しをしても、電気やガスなどが使える状態になっていなければ生活が不便です。それぞれ開始の手続きを済ませておく必要があります。
電気は3日前までくらいを目途に、電力会社へ連絡して使用を開始するための申し込みをします。連絡さえ行っておけば、特に立合いも必要ありません。水道も同様に連絡をするだけで使えるようになります。しかしガスの場合には、作業員の立合いのもと、点検などを行って使えるようにしなければなりません。1週間から3日前くらいまでには連絡を済ませておきます。
まとめ
はじめて一人暮らしをする場合、物件選びから契約、そして入居まで知っておくべきことが多くあります。住みやすい物件や周辺環境の条件を事前に考えておき、契約締結における注意点もチェックしておきましょう。