住宅選びで特に大切なのが床材です。色味や踏み心地など毎日の生活において、少しでも快適なものを選びたいと誰もが思うのではないでしょうか。その種類は実に豊富ですし、また場所によって適するものやそうでないものがあります。デザイナーズマンションを選ぶ際にも、そのお洒落感と共に住み心地の良さを感じることができる床材の物件を選びたいものです。ここでは、その種類と特徴を挙げてみますので、参考にしていただければと思います。
【フローリング】
今やほとんどの住宅で採用されている床材ですね。その木の風味は時に癒しを感じることができるものです。フローリングと一口に言っても、その種類はかなり豊富です。加工方法や使用している木の種類によって、機能や踏み心地はかなり違ってくるので、ひとつ勉強するのも良いかもしれません。
【フローリングはふたつのタイプに分かれる】
フローリングは大きく分けてふたつあります。ひとつは複合タイプと呼ばれるもので、無垢板を薄くスライスしたものを耐水合板などに貼り合わせたものです。価格の安さが大きな特徴となりますが、見た目や踏み心地が無垢のフローリングとほとんど変わらないものもあります。加工の仕方によってマンションなどの集合住宅に必要な防音性や耐衝撃性を高めたものもあります。変形したり伸縮したりしにくいのも特徴です。
【人気の高い無垢フローリング】
もうひとつは、ムク材や集成材を使った単層によるフローリングです。その種類は百にも及ぶものなので、それぞれに踏み心地や経年による風味を楽しむことができます。また、硬い材質のものは耐久性が高いので、重量のある家具を置いたり、ペットを飼っているような場合に向いています。オークやウォールナットのような広葉樹が使われています。あるいはパインや杉のような針葉樹は柔らかいので、踏み心地が良くて疲れにくいのが特徴になります。キッチンのような立ち仕事をする場所にも向きますが、同時に耐水加工を施すなどの必要もあります。また、塗装によっても硬さは変わります。日焼けによる変色を防ぐためのUV塗装を施すと、硬くなる傾向があります。
【畳】
デザイナーズマンションのようにお洒落な雰囲気を演出する建物が増えるに伴って姿を消しつつあった畳ですが、その肌触りや温かみなどが求められるようになってきています。吸湿性の高さも、機密性の高いマンションの湿気が抜けにくいことから再び注目されるようになっています。ただし、フローリングのように手入れが簡単というわけではないのが課題となります。適度なメンテナンスを行わないと、カビやダニの温床となるので注意が必要です。
【コルク】
コルク樫の木の皮を粉砕して加工された床材ですが、肌触りの良さや保温性にすぐれた温かみに人気があります。裏打ち材で防音性を高めたものがあるので、賃貸用のマンションには多く採用されるものです。表面の加工によってタイル状にしたりフローリング調にしたりと、デザインにも工夫を凝らすことができるのが特徴です。防水加工を施すことでキッチンにもよく使われます。
他にもカーペットは寝室に好まれて使われることが多いものですし、またキッチンや洗面所には防水性に優れるクッションフロアが多く利用されます。デザイナーズマンションなどでは部屋に応じて最適な床材が使われることが多いものです。それぞれの特徴やメリット、デメリットを考慮して床材を吟味されたマンションは作り込まれた感があるものです。そのような高品質なマンションを探す手がかりとして、適切な床材が使われているかをチェックしてみるのも良いかもしれません。そして住まい選びには、好みの床材が使われているところを検討するのが良いでしょう。