日本の住宅事情において、多くの人が家に狭さを感じているとされています。例えば単身者の場合にはワンルームに住むケースが多いものですが、お洒落なデザイナーズマンションとなると家賃が少し高くなる、あるいは部屋が少しコンパクトになる事があります。狭くてもお洒落な部屋に住みたいと思う人でも、工夫次第でその部屋を広く見せることが可能です。
【基本は背の高い家具を入り口近くに置く】
部屋をお洒落に、なおかつ広く見せたいけれど、それほどお金もかけられないという人は多いものです。家具の色は壁に近い色を、そうはわかっていてもなかなか新しいものは買えないものです。けれどもすでに保有している家具などの配置を変えることだけで、部屋を広く見せることは可能です。そこでまず最初に、部屋の中で普段自分がどこを向いているのかをチェックします。いつも座る位置に座り、目線はどこに行くのかを確認するわけです。また友人などを呼んだ時も、みんなの視線はどこに行くかを考えてみます。その視線の先には背の高い家具は置かないということです。背を向ける方に置いておけば、普段は視界に入らないので目線の先は広く感じることになります。
【入り口から部屋の置くへの視線を確保する】
同じ理由で、部屋に入ってから置までの間に視線を遮るものを置かないことです。そしてその先には、普段良く見るもの、例えばテレビや来客時に見せたいものを置くことがポイントです。あまり周辺に視線が移らないようにすることが大切です。
【床を広くする】
とにかく床を広くすることも、部屋の雰囲気を広くするコツです。横に荷物を広げずに縦に重ねることが大切です。そしてその重ねた荷物は入り口付近にまとめておくようにします。両側の壁もなるべく開けておくようにします。その時に、単純に広く開けておくだけではなく、少しインパクトのある色味の小さめな家具や小物を置いておくと、その後ろの壁紙広く感じられるようになります。
【照明を活用する】
多灯照明を活用することでも、部屋を広く見せることができます。均一に部屋を明るくしていては、あるがままの姿を見せるだけのことになります。けれども間接照明を使って明るい部分と暗めな部分を作ることで、暗い部分に奥行きを感じさせることができます。その先が見えないことによって、錯覚を起こさせるわけです。そして明るく照らすのは天井と両側の壁です。天井を下から照らすことによって高さをかんじるようになります。そして両側の壁を照らすことで広さを感じることができるようになります。デザイナーズマンションの中には壁の間が狭い物件もあります。通常のシーリングライトでは、その狭さは強調されることになりますが、間接照明を利用することで狭さを感じないようになります。これは心理的な錯覚を利用したものとなります。さらに友人を呼んでおしゃべりを、そんな時にはみんなで挟んでいるテーブルの上に明かりが落ちるようにすると効果絶大です。みんなの意識は自然とその光に集まることになるので、周囲には意識が向かないようになります。ピンポイントで明かりを集めることによって、その周りの存在感がぼやけて広がりを感じるようになる心理を利用したものとなります。
このように、それほどお金をかけることなく工夫によって狭い部屋も広がりを感じることができるようになります。あくまでも心理的な錯覚によるものですが、そもそも狭い広いは心理的な感覚によるものです。同じ広さの空間であっても、条件によって感じ方が変わるということになります。家具や荷物をどこに置くのか、また明かりをどのように活用するのか、たったこれだけのことでかなり効果が出ます。またこれは、お洒落なインテリアの基本にもつながるものです。それは見た目だけのことではなく生活動線などの住みやすさにもつながるということです。