
名駅エリアが大きく変わりつつあります。2000年にJRセントラルタワーズが完成してから、名古屋駅周辺では開発が進んできました。ミッドランドスクエアや名古屋駅ルーセントタワー、モード学園スパイラルタワーの建設などもそのひとつにすぎません。けれども、そこまではよくある開発にすぎません。東京でも数多くの商業ビルが建設されて、話題になっています。けれども名駅エリアは少し異なるアプローチをとっての計画という特徴を持ちます。そこには、名古屋駅には東海道新幹線が全列車止まる利便性の良さから注目度は高かったものの、大きな課題を抱えるためになかなか開発は進まなかった経緯があります。
複雑に入り組む各路線
名古屋駅のような複数路線が入り交じるターミナル駅は、どこも同じような悩みを抱えています。それは乗り継ぎが分かりにくいということです。東京でも東京駅や渋谷駅、新宿駅などは多くの路線を乗り継ぐことができます。けれどもやはり、案内板はあってもその経路は長く、慣れない人にとってはひと苦労するものです。これは鉄道会社が異なるために起こる、必然的な課題とも言えます。けれどもそこにメスを入れるべく開発を進める計画を立てるということは、あまり例のないことです。
リニア新幹線が起爆剤に
名古屋駅にはJR線に名鉄、近鉄と名古屋市営地下鉄などがあり、その開発の主導権をどこが握るのかも不明瞭となっていました。そこに、東京と名古屋を結ぶリニア駅のルート案が発表されたことにより、それを軸として再開発計画は一気に進むことになったわけです。主導する名古屋市は、移動性の高い乗り換え空間の形成と直線的な動線を明確なテーマとして掲げることになったのです。
極めて異例な再開発
名古屋駅周辺は商業地域でありながらも、愛知県の住みたい街ランキングで上位に位置しています。これは住環境の整備が進んでいることを反映したものです。東京でも様々な駅周辺で再開発が進んでいます。東京駅も駅舎を新しくするとともに、現在もその商業ゾーンの開発やビルの建設が進んでいます。渋谷も副都心線が乗り入れたことを皮切りに、大きく変貌を遂げようとしています。けれども共通するのは、あくまでも商業地域としての発展です。唯一池袋が、開発を伴って住みたい街ランキングに初めて上位に選ばれました。けれども決して住環境が整備されているわけではありません。その点において、名古屋駅は全く異なるアプローチをとっていることになります。
進む再開発
2015年には大名古屋ビルヂングが竣工予定となっています。こちらはオフィス兼商業ビルとしてのものとなります。けれども駅の南、笹島エリアでは「ささしまライブ24」として大規模な再開発が進められています。この敷地にはすでに愛知大学名古屋キャンパスが開校しています。そして賃貸住宅の供給も始まりました。さらに名鉄はリニア開業に合わせてのターミナル駅としての強化を目指しています。オフィスや商業施設はもちろんのこと、ホテルや住宅を組み合わせての複合的な取り組みを掲げています。このように、まさにひとつの都市を開発するかのように計画されることは非常に珍しいものです。東京ではあくまでも、駅周辺は商業施設を強化しています。タワーマンションも多く建設されていますが、駅と共にというケースは見当たらないものです。
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2027年にはリニア新幹線が東京と名古屋を、約40分でつなぐようになるとされています。これは見方を変えると、名古屋から東京への流出が懸念されるとも受け取れるわけです。その懸念も、このような住環境を伴った開発の原動力となっています。けれどもその理由はどうであろうとも、名古屋駅周辺が魅力ある地域に進化していくことは間違いないことです。この地での生活に大きな満足感を与えてくれることも期待できると言えます。