賃貸マンションに住んでいる人の中で、その物件に満足している人はどの位いるのでしょうか?実はかなり多くの人が、何かしらの不満を持っていることが知られています。その原因は様々ですが、部屋の狭さは上位に位置する要因です。例えば生活に便利な都心部のデザイナーズマンションに暮らすのは良いけれども、どうにも狭さが気になるという人は多いのではないでしょうか。家具を移動したり買い替えたり、模様替えをしてはみるものの、やはり狭さを感じるとガッカリする。そんな経験を持つ人も少なくないのではないかと思います。もちろん、狭い部屋を広く見せるテクニックはあります。けれども、視点を変えて取り組むのも良いかもしれません。狭さを感じることが無い、あるいはその狭さを逆に楽しめるような部屋にする方法はあります。今回はそのコツを幾つか挙げてみます。
部屋の狭さがストレスにつながるという通説は正しいのか
賃貸住まいの人が何かしらの不満を抱えているようですが、その中でも広さに関するものは多いようです。専有面積や収納に対して、年齢を重ねるごとに荷物が増えることも関係があるようですが、不満の声は高まるようです。デザイナーズマンションなどは収納が少ない物件も少なくないものです。とはいえ、広い部屋は家賃が高く、広い部屋を望むなら通勤が不便になるというジレンマを抱えるようになります。けれども本当に、狭さはストレスにつながるのか、考える必要があります。
興味深いアンケート結果
ひとつ面白いアンケート結果があります。狭い部屋と暗い部屋のどちらにストレスを感じるか、というアンケートに対して、100人の回答者のうち60%以上は暗さに感じると答えています。もちろん対象が少ないためにどれほど信憑性があるかという面もありますが、実はこれは人間の本能を反映させているものです。
本来人間は狭い場所に安心感を覚えるものです。ここで考えられるのは、部屋が狭いことではなく、動線の悪さから身動きに制限がかかることにストレスを感じるのでは、という仮説です。実際に生活の場としてではなく、単なる宿泊施設としてならば狭い空間でもストレスは感じにくいとされています。むしろその雰囲気によっては落ち着くようにもなります。
狭くても楽しい生活空間とするコツ
このような経験をした人はいないでしょうか。ふた間続きの部屋の片方の電気を消して、その境となる引き戸を半分開けておくと、明るい部屋にいるだけで安心感を得るという経験です。これは暗い部屋を見ると不安感が生じるのですが、明るい部屋にいることで安心できるという本能からくる感覚です。まずはこれを活用することで、狭い部屋でも落ち着く感覚を得ることができます。部屋中全てを明るくするのではなく、一部をあえて暗くするわけです。そこで利用するのがゾーニングです。一般に部屋は寝る場所、食事をする場所、そしてくつろぐ場所にゾーニングするのが良いとされています。このうち、寝る場所を暗く見せるようにすることで、くつろぐ場所の明るさを心地良く感じるようにできるわけです。
タイニーハウスに学ぶ
アメリカで少し前から流行っている、タイニーハウスをご存知でしょうか。アメリカの家といえば広いイメージがあるものですが、あえて狭い家に住むことが流行っています。サブプライムローン問題の影響も無きにしも非ずですが、その生活を楽しんでいるのが印象的です。狭くても楽しいのは、そこが好きな空間だからです。好きなモノに囲まれて、なおかつ収納などを工夫する楽しさも感じているわけです。たとえ狭いデザイナーズマンションであっても、好きで選んだ物件であれば楽しい空間にできるはずです。動線をきちんと確保した上で好きなモノに囲まれる空間作りをするのが、狭い住まいでも楽しく過ごせる秘訣かもしれません。