賃貸物件を借りて新生活をスタートさせる時というのは、どんな部屋にするのかを決めるひとつの分岐点とも言えます。好きなモノに囲まれた生活を楽しむか、極限にまでモノを減らしてシンプルな生活を楽しむか・・・究極のパターンとも思えますが、実際はこのどちらかに属することになります。お気に入りのデザイナーズマンションに引っ越しが決まる、初めて一人暮らしを始める、そのような機会に考えてみるのも良いものです。
【自分の好みを知ろう】
住み心地の良い部屋作りのためには、まず自分の好みを知ることから始めます。簡単に分けると、モノを見せる収納が好きか隠す収納が好きかを考えると分かりやすいかもしれません。例えばインテリアの写真を見た時に、キッチン器具が綺麗に隠されて収納されたものか、それともあらゆる器具がディスプレイされたものか、どちらを見ると落ち着くかで判別できます。例えばベッドの周りに多くのぬいぐるみを置いている人は、後者のパターンとなります。自分の好みのパターンが判ったところで、それぞれの生活のコツを挙げていきます。
【モノに囲まれた生活】
好きなモノに囲まれての生活は楽しそうですが、危険と隣り合わせでもあります。気を許すと際限なくモノが増え続けて、部屋は足の踏み場も無いといった事態にもなりかねません。するとモノが無い生活に憧れるようになり、断捨離へと移行する人も少なくないものです。程よい量のお気に入りに囲まれた生活というのも、難しいものです。そこで意識したいのは、部屋全体をモノで埋めないように、お気に入りのコーナーを作るということです。住みやすい部屋にはゾーニングが必要と言われます。寝るスペースと食事のスペース、寛ぎのスペースです。このうちどこにお気に入りのスペースを作るかを決めると良いかもしれません。また、集めるモノの種類も限定することも大切です。昨今人気のブルックリンスタイルのインテリアを見ても、本や靴、スパイスなど人それぞれのこだわりのグッズを自然にディスプレイしているのがわかります。
【断捨離でシンプルな生活を】
ミニマリズムという言葉が流行っています。最小限のモノだけで暮らす生活のことですが、本当に好きなものだけを選ぶようになるみたいです。これは断捨離と似てはいますが、実は異なるものです。断捨離はどちらかと言えば、増えすぎたモノを捨てることから始めてシンプルな生活に慣れるという意味合いを持ちます。モノに囲まれた生活のバランスが上手く取れずに極端に走るイメージでしょうか。そこから上手くミニマリズムに移行できれば良いかもしれません。不本意ながらにモノを捨てるのではなく、本当に大切なものを求めること、それにより最大限の満足感を得られるようになるということです。モノが増えすぎる過程で多くの人は、ある種の虚しさを感じるようです。いくら求めてもキリがないですし、決して満足感が得られないということです。そこから、限られた少ないお気に入りのモノを手に入れることに喜びを感じることができるかがポイントとなります。
【断捨離から始まるシンプルライフのコツ】
断捨離は捨てることが主となります。けれどもそこに満足感が生まれるかというと微妙です。本当に満足できるシンプルライフは、捨てるのではなく何を選び取るかということです。増やすことや減らすことに執着するのは、決して良い心理状態とはなりにくいものです。本来は程よい状態に保つことが大切ですが、自分がモノに執着しやすい性格であると自覚があれば、こだわりの逸品を探すことにエネルギーを費やす方が良いかもしれません。あとはモノに捉われずに生活そのものを楽しむことができるようにすること、これがシンプルライフのポイントかもしれません。