今回のインテリアは転勤でひとり住まいをしている男性の方からのご依頼です。ゆったりと落ち着ける部屋の中で仕事ができるようなインテリアをご希望とのことです。くつろげる空間の中で集中できる環境をいかに生み出しているのかを、ぜひご覧いただきたいと思います。
仕事ができる部屋こそ安らぎを
転勤で職場が変われば俄然、仕事にも気合を入れたくなるものですよね。するとどうしても常に仕事モードになって家でも机に向かうようになる、そんな方は多いと思います。
そこで提案したいインテリアのポイントは2つあります。職場とは違う雰囲気の作業環境を作ることで、普段とは違った発想を生み出しやすくなること。そしてもうひとつは溜め込んだストレスや緊張をしっかりと解放できるような安らぎの空間を作ること。この2つを実現するようなインテリアを今回は提案しています。
まず最初にゾーニングを意識すること
今回ご依頼の男性の部屋は、広めとはいえワンルームタイプになります。寝室が別に確保されていれば仕事環境を作るのも簡単なのですが、逆に言えば多くの単身者のモデルケースとしてインテリアの提案ができる部屋かと思います。
ワンルームの場合、食事をしたりくつろいだり、あるいは眠るという行為全てをひとつの空間で行うことになります。そこにもうひとつ、仕事をする空間を加えるわけですから、そのスペースを明確に分ける必要があります。そのように生活空間をきちんと分けることをゾーニングと呼びます。リラックスできるソファで仕事をすると、どうしてもネットサーフィンをしてしまったりと集中できなくなってしまいます。この空間に身を置いたら、仕事に集中できるというスペースを作り出すことが必要というわけですね。
部屋を縦に分けてゾーニングを
今回は部屋を縦に分けて、リラックスできる空間と仕事ができる空間を作っています。部屋に向かって右側に机を、左にベッドとソファを置いています。よく自宅で仕事場を作る時に、机は壁や窓を背にして部屋の中を向くように配する例を見かけます。まるで社長室のようで格好良いものですが、正直に言うと仕事には集中できません。視界に色んなものが見えると気が散るからです。もちろんクリエイティブな仕事をしていて、色んなアイデアを生み出さなければいけないというような場合には有効です。けれども作業に集中するのであれば、壁を向くのがベストです。目の前だけに集中できるようにすることがポイントになります。
また今回、職場とは違う環境を作るために家具選びも工夫しています。デスクはレトロなデザインのシンプルな木製のものを、そしてチェアはダイニングチェアを使うことでちょっとした違和感をあえて感じるようにしています。
ダイニングスペースとして、ラグマットを置いています。ラグマットを使うと、ここが休まる場所であるということを意識できるようになります。
安心感を生みむためにインテイリアの色数を抑える
ただしデスクとチェアの色は部屋のメインカラーのブラウンにして統一感を演出しています。インテリアのカラーは色数を抑えることで安心感が生まれます。
いろんな色が混在すると気が散ってしまい、心が休まりません。仕事で高まった交感神経を抑えるために、極力統一感のあるカラーにして心が穏やかになるようにします。ただし全て同じブラウン系でまとめてしまうと何となくつまらない部屋になってしまうので、アクセントカラーも入れるのを忘れないようにします。ブラウンと同系色の落ち着いた赤や黄色などを選ぶと良いかもしれません。今回は同じアースカラーの緑を使っています。
目線の先を意識すること
ゾーニングを意識した家具の配置でもうひとつ大事なことは、目線の先を意識することです。デスクに座った時、ソファに座った時それぞれの場合に、目線の先に何があるのかを意識することが大事です。ひとつの空間であるワンルームでは難しいとは思いますが、例えば今回のお部屋はソファの先に大きな観葉植物を置いています。机も視界に入るので、存在感の大きな観葉植物をあえて置くことでそちらに意識が向くようにしています。
終わりに
いかがでしょうか。同じように家でも仕事をするという方の参考になればと思います。最後に今回選んだ家具をご紹介します。
ベッド サンコウのビーンズ
ソファ HOMEDAY のLS-450
ローテーブル 東谷のLT-73
ラグマット スミノエのレシェ
デスク SD-637
デスクチェア(ダイニングチェアを使っています) DC-104
今回ご紹介したお部屋はこちら