
今回ご提案するインテリアコーディネートのポイントは、みんなでお酒が飲めるくつろぎの空間です。お客様のご要望は、落ち着いた色合いのくつろげる空間です。そこでまずリビングダイニングの空間を広く感じられるように、背の低い家具で統一することにしました。リビングが広いということもあるので、家具の配置もゆったりとしたものにしています。
「床に座る」ことを前提としたアイテム選び
ご友人などを招待してお酒が飲めるような場所を作るために、まずローテーブルを選びました。床に座るスタイルの方がリラックスできますし、それほど広いテーブルは必要なくなります。また普段は家族で過ごすリビングなので、無駄に広いテーブルは不要です。さらに床面にもスペースが生まれるので、心理的余白が生まれて落ち着いた気持ちが生まれます。モノが密集すると心理的に落ち着かなくなりますが、床面を広く確保することで平穏な気持ちに包まれるというわけです。
リビングでは目線が低くなることを考慮して、床のフローリングの色に近いカラーをベースとしました。カーテンやソファはグレーにすることで、圧迫感を感じないようにしています。通常は落ち着いた色としてブラウン系が好まれますが、今回はそのブラウンをアクセントカラーとして採用しています。ベースの色はもう少しトーンを抑えることによって、リラックスできる効果が期待できます。
心理的効果も狙ったカラー配置
また、グレーは集まる人の団結を強めるという効果もあります。その意味ではオフィスなどでよく好まれる色ですが、お酒の席に採用することで違った効果が期待できます。お酒は飲みすぎると、つい暴走しがちになります。語り合うのも良いのですが、時に熱くなり過ぎることにもなりかねません。けれどもグレーのように、心理的に落ち着く配色であれば、みんなで仲良くお酒を楽しめるようになります。
ただし、このグレー色が全面的に広まると、普段の活力に影響が出るようになります。そのためにアクセントカラーで少し強めの色を取り入れる必要があります。今回は濃いブラウンの間接照明を取り入れてみました。トールサイズとすることで視界にも入りやすくなるよう工夫しています。
部屋全体が同じトーンとなってしまうと生活にメリハリ感がなくなってしまいます。今回の部屋はドアが濃いブラウンなので、その建具に合わせてダイニングチェアも同系色の濃いブラウンとしました。ただし重厚感は出したくなかったので、格子状のハイバックチェアを選んでいます。チェアを濃い色にしているので、ダイニングテーブルは白としました。
ダイニングの主役となるのは椅子ですが、その椅子の色と面積の大きなテレビボードの色を合わせることによって、室内の雰囲気を統一させることができます。ローテーブルとソファ、ラグマットにダイニングテーブルの色がバラバラなので、下手をするとリビングの統一感がなくなってしまいます。けれどもダイニングチェアとテレビボードの色を建具の色と揃えることによって、リビングに統一感が生れるので心理的に落ち着きます。
色数を抑えて落ち着いた空間に
一方で寝室は使う色数を限定することで、さらに落ち着ける雰囲気に仕上げています。色調はブラウンをベースとして、ベッドを建具のドアや収納の扉の色と合わせています。ベッドスローも同じ濃いめのブラウンにしているので、淡い茶色のベッドカバーを引き締める効果が生れます。
終わりに
かなりご要望にお応えできる仕上がりになったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。大勢でお酒を楽しめると共に、普段の家族で過ごす空間もしっかりと確保できているのではないかと思います。落ち着いたリビングは、注意しないと活力もなくなる空間にもなりかねません。けれどもベースカラーとアクセントカラーをうまく組み合わせることで、きちんとメリハリも生まれているのではないかと思います。
今回ご紹介したお部屋はこちら
//www.style–plus.jp/bukken/myatria_meieki/b/
名古屋市中村区「マイアトリア名駅」