今回ご紹介する案件は、優雅な雰囲気を目指したインテリアです。照明と空間の使い方に注目していただければと思います。
部屋のコンセプトを決めるまでの流れ
今回インテリアのご依頼を受けた部屋を見た時に、まず、どんな方向性でいくかを考えました。
注目したのは、玄関から居室に続く長い廊下と、バルコニーの横に位置する居室につながる空間です。玄関からの廊下には十分な収納がありますが、この空間を生かすのは難しいと思えました。さらにバルコニー横の空間も、広さは決して広くないのでどんな用途に使えば良いか迷うところです。けれどもこの空間は、ゆとりを生むものであると捉えた時に、コンセプトがまとまりました。優雅な雰囲気を感じる部屋にしよう、というものです。
まずは照明選びから
コンセプトが決まったところで、まずインテリアの主となるものを決めます。
優雅な雰囲気となれば、照明の使い方もポイントになります。まずシーリングライトをはずしてダクトレールを取り付け、スポットライトを設置しました。このスポットライトは向きを自由に変えることができるので、部屋の中に陰影を生むことができます。
さらに卓上ライトを設置して光量を確保すると共に、室内に表情を持たせるようにしました。けれどもこのお部屋はワンルームなので、食事や就寝などあらゆる生活活動をひと部屋で行うことになります。そこでもうひとつ、何か照明を取り付けたいと考えました。そこで選んだのは、エルックスのシルヴィアスチールです。北欧はデンマークの照明ブランド、VITAの製品ですが、この独特のフォルムが求める雰囲気にピッタリだと感じました。
ゾーニングのポイントについて
今回のお部屋は広めのワンルームなので、ホテルのちょっとした贅沢な雰囲気も取り入れたいと考えました。幸いにも廊下に十分な収納量のクローゼットがあるので、生活感を感じるような収納家具は置いてありません。
唯一、ベッドルームを作るための仕切りとして、ユニットシェルフを置いてあります。そして本格的なシステムキッチンが配されているので、ダイニングスペースもしっかりと確保しています。ただし、テーブルはあまり存在感を全面に出したくなかったので、色はホワイトの1人用で奥行があまり無いタイプとしています。
メインとなるリビングスペースには、ラグマットを敷いてゾーニングを意識しています。ソファはNDスタイルのシエスタ、ローテーブルも同じくNDスタイルのアルマです。NDスタイルは2015年にグッドデザイン賞を受賞したソファなどを扱っている、神戸ファッションマートなどに直営店を持つインテリアショップです。
ベッドルームは奥のスペースに確保しています。決して広いスペースではありませんが、壁の上部に窓があるので閉塞感はありません。また天井にはダクトレールを伸ばし、スポットライトでライティングしているので、ゆっくりと休める空間を演出しています。
こだわりの空間について
今回のコンセプト作りのポイントになった、バルコニー横のスペースについてご紹介します。南に面した非常に明るい空間ですが、さほど広くないので使い勝手に悩むかもしれません。そこで今回はテーブルとチェアを置いて、ちょっとした書斎のような空間にしています。
独特のフォルムを持つコンパクトなテーブルが、今回のお部屋のコンセプトを象徴するものとなっているのではないかと思います。スタイリッシュでありながらも、木の足がどことなく安心感を与えてくれます。優雅でお洒落な空間でありながらも、ゆっくりとくつろげる雰囲気を確保しています。
終わりに
今回のお部屋の雰囲気、いかがでしょうか。細かく生活空間を分けているにも関わらず、何となくゆとりを感じるのではないでしょうか。一見すると無駄に見える空間を、心のゆとりにつながるように演出してみました。
今回ご紹介したお部屋はこちら
//www.style–plus.jp/bukken/lexington_husimi/b-/
名古屋市中区「カスタリア伏見」