今回のご依頼人は1LDKの広めのお部屋にお住まいの、一人暮らしの女性の方です。
落ち着いた雰囲気の中での生活をご希望とのことでインテリアを提案させていただきました。茶系の家具の組み合わせに注目してご覧いただければと思います。
茶系家具の選び方はトーンに注意すること
落ち着いた雰囲気のインテリアと言えば、定番のカラーはブラウン、茶色でしょう。家具としてもよく使われる色なので、選びやすいのが利点です。けれどもインテリアは、カラーをどのように組み合わせるかが基本となります。単純に茶系であれば良いというわけではありません。
最初に家具のカラー選びでチェックするのは床の色です。フローリングの床にも色んな色があるので、それに対してどのような茶系の家具を選ぶのかがポイントになります。
今回のお部屋は白っぽく明るい色のフローリングです。このような床に対して明るい茶系の家具を置いてしまうと、逆に落ち着かなくなります。かといってダークブラウンのような色では重い雰囲気になりますので、ほどよいバランスを考えます。
まずソファは少し暗めのブラウンを選んで、落ち着いた雰囲気を感じるようにします。そして対面する位置に置くテレビボードは、やや赤が入った明るめのブラウンにすることで気持ちも明るくなるようにします。このように同じ茶系でも明度などを変えることで部屋の雰囲気が単調になりません。
基本はソファのような大きな家具、そして自分が普段座るような場所を落ち着いた雰囲気の色合いにします。そして正面に見える家具を少し明るめにすることで、リラックスできる空間にできます。
グレーを使って空間に広がりを持たせる
落ち着いた雰囲気を感じるブラウンですが、難点は存在感があるので部屋が狭く感じるようになることです。
今回、ソファとテレビボードの間に置いたローテーブルもブラウンなので、よけいに狭さを感じるようになります。かといってこのテーブルをガラスにすると、雰囲気にマッチしません。
木目調の落ち着いたお洒落なテーブルは外せないアイテムなので、その下にラグマットを敷いて部屋に広がりを感じるようにしました。ここで使うのがグレーです。グレーは空間に広がりを感じさせる効果がありますし、ブラウンとの相性も抜群です。また、アクセントカラーとしてもグレーを使って、ソファにクッションを置いています。
グレーには上品さを感じさせる効果もあります。ブラウンと組み合わせることで、上品さと温かみを感じることができます。
寝室のブラウンにも工夫を
寝室のベッドももちろん、ブラウンを選んでいます。ただしソファとはまた違う色味の、濃い色を選んでいます。ただし寝室のカラーではブラウンの使い方に注意点があります。
色が筋肉にどれくらい緊張を与えるかというライトトーナス値というものがあります。
これによると赤が最も高く、人体を興奮状態にさせると言われます。逆に青が最も低く、実は寝室に適する色は青とされています。
ではブラウンはどうかというと、ライトトーナス値が低めの黄色に黒を足したブラウンは、知持ちを落ち着かせる効果があります。医院の内装にもよく使われるのはこれが理由です。けれども黒に近いダークブラウンは、気持ちを暗くさせるそうです。そこで今回もダークブラウンではなくミディアムブラウンを選んでいます。
またライトトーナス値で最もリラックスできる色はベージュだそうです。そこで今回はカーテンをベージュに近い色にすることで、リラックス効果を高めるようにしています。
まとめ
いかがでしょうか、落ち着いた雰囲気のインテリア作りでも、茶系の使い方には色々とポイントがあることが分かるかと思います。ちょっとしたコツを掴めば、誰でも簡単にリラックスできる落ち着いた部屋作りができるようになります。
今回ご紹介したお部屋はこちら